まるでアート空間。WeBaseに佇む3m近い巨大な猫の像「SHIP’S CAT(シップス・キャット)」の正体とは?
全国に宿泊施設を展開する「WeBase(ウィーベース)」を語る上で欠かせないもののひとつが、5つの宿泊施設それぞれに佇む「SHIP’S CAT(シップス・キャット)」と名付けられた巨大な猫の像。日本各地を訪れる世界の旅人の幸せを願い、また地元に根付き人々に愛されるような作品として、日本を代表する現代美術作家であるヤノベケンジ氏により、新しいアートの形、パブリックアートとして制作されました。潜水服や、宇宙服のような衣装を着た猫の青い瞳は未来を見通し、周囲を反射する鎧が困難に立ち向かう勇気を与え、新しい挑戦や希望の旅へ誘います。
SHIP’S CAT(シップス・キャット)のモデルは古代エジプトから船に乗り、大航海時代には世界中を旅した船乗り猫。
猫たちはネズミ退治による疫病・食糧保護対策に加え、故郷を離れた船員たちに癒しを与え、仲間意識を強くするという役割もあったとか。アートで繋ぐ人々との出会い、5つのWeBaseの拠点間の絆、宿泊客へのおもてなしのマインド。そんなWeBaseと関係の深いSHIP’S CAT(シップス・キャット)の歩みを、拠点ごとに振り返ります。
WeBase 博多 ー 九州の港の玄関口に第1号のSHIP’S CATが誕生
SHIP’S CAT(シップス・キャット)第1号は、博多どんたく、博多祇園山笠などで有名な、九州の港の玄関口「博多」で2017年7月に誕生。ヤノベ氏は、博多が日本最古の湊(みなと)であることから、海上交易の拠点として船乗りたちが行き交った様子をイメージ、そして大航海時代には世界中を旅をし、遣隋使や遣唐使でもネズミから大切な仏典や食糧、船体を守り、疫病を防いだ船乗り猫に着想を得ました。その姿は、建物から上半身が飛び出て力強く街に向かうという印象的なもの。ホテルの内側からしか見ることのできない後ろ姿も可愛いと人気に。
誕生と同時に、地元の博多小学校の児童たちから愛称を募集、「Nyapy(ニャーピー)」と名付けられ、旅行客のみならず地元の人々からも愛され続けています。「福岡市都市景観賞」広告部門賞を受賞(2018年11月)、Nyapy(ニャーピー)の周りに花を植え、福岡市の「一人一花運動」に参加(2021年2月)ほか、Nyapy(ニャーピー)がつなぐ縁によりWeBase 博多が数々の地元のアートイベント会場や、地域振興イベントのホットスポットへ。その愛らしい姿も相まって、福岡市の博多旧市街ポスターなどのローカルメディアにアイコンとして幾度となく登場、宿泊客に限らずNyapy(ニャーピー)に会いたい人々で溢れています。
宿の特徴
地下鉄「中洲川端駅」7番出口より徒歩3分。博多の中心部にあり好立地。明るく清潔で、気軽に泊まれるカプセルタイプの男女共用ドミトリーから、ファミリーでもご利用いただけるキングルームまで全7タイプで、客室数は41室。簡単な朝食が毎日無料。フレンドリーで多国籍なスタッフでアットホームな雰囲気も人気。
福岡県福岡市博多区店屋町5-9
WeBase 京都 ー 伝統の手すき和紙のSHIP’S CATが日仏交流に活躍
2018年10月に開業したWeBase 京都では、「SHIP’S CAT(Totem)」、「SHIP’S CAT(Sleeper)」、「SHIP’S CAT(Thinker)」の3つの像と「Picture scroll of SHIP’S CAT」の壁紙が設置されています。これらは、日本政府主催「ジャポニスム2018」の企画として、フランス・パリのルーヴル美術館に併設するカルーゼル・デュ・ルーヴルで開催された「SHIP’S CAT展」(主催:京都造形芸術大学・株式会社レーサム、後援:京都市)の展示作品でもあります。伝統ある和紙の世界に新境地を開いた堀木エリ子氏と現代美術作家のヤノベケンジ氏のコラボレーションで、立体漉きで制作された和紙のSHIP’S CAT(シップス・キャット)が誕生。パリでは2万3千人の来場者と触れ合い、日仏交流160周年記念の文化交流にも一役買いました。
年間7,000万人近い観光客が訪れる京都において、WeBase 京都では、多言語対応のグローバルなコミュニケーションによるおもてなしに加え、伝統と革新が融合するアート体験でも観光客を魅了し続けています。
また、パリ発祥のベーカリー店「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリー京都店」、「大阪中之島美術館」でもSHIP’S CAT(シップス・キャット)に出会うことができます。
宿の特徴
「四条烏丸」エリアにあり好立地。6人ドミトリー、2段ベッド個室、ダブルベッド個室、個室とビジネスや観光など用途に合わせて選べる9タイプの客室。朝食にはオリジナルホットドッグも無料提供。客室数は50室。
京都府京都市下京区岩戸山町436-1
WeBase 鎌倉 ー 1万キロ先のパリ海外出張で、名実ともに旅する希望の猫へ
2016年9月に神奈川県鎌倉市にコミュニティホステルとして開業。巨大なボラード(係船柱)の上にちょこんと腰掛ける「SHIP’S CAT(Harbor)」がWeBase 鎌倉に誕生しました。
この「SHIP’S CAT(Harbor)」は、前述の2018年のフランス・パリのルーヴル美術館に併設するカルーゼル・デュ・ルーヴルで開催で開催された「SHIP’S CAT展」にも参加。なんとWeBase 鎌倉を飛び出して約1万km先のパリまで実際に旅をし、名実ともに旅する希望の猫となりました。
また、SHIP’S CAT(シップス・キャット)は鎌倉の地においてもアートで絆を結んでいます。「アート&デザイン新世代賞(2019年3月)」の授賞式の会場となり、若きアーティストたちの誕生も見守りました。
海と山に囲まれ、都心から1時間の郊外型リゾート地としても人気の鎌倉という地形を活かし、WeBase 鎌倉は、2023年5月にリゾートホテルとして全館リニューアル、館内の「レストランこう」は地産地消をコンセプトにしたレストランへ生まれ変わりました。SHIP’S CAT(シップス・キャット)は、ホテルが姿を変えても、テラスの奥に鎮座し、宿泊客やレストラン客との写真スポットとしても親しまれ続けています。